2013年5月23日木曜日

ドブソン特別研修

先週と今週の2日間、自分が南極で担当する観測機器、
ドブソン分光光度計の研修のため、つくばの高層気象台へ行ってきました。

この測定器は、気象を専門にする人でも殆ど知られていないマニアックな
ものですが、この観測結果は気象に興味ある人なら誰でも知っているという
不思議なものです。


誰でも知っている観測結果というのは、南極のオゾンホール。

A Special Ozone Observation at Syowa Station, Antarctica from February 1982 to January 1983

上の図は南極昭和基地での1年間のオゾンの鉛直積算量。
ちょうど南極の春(10月)ぐらいに、オゾンの量が減っているのが分かります。
これが南極上空でのオゾン層の減少---いわゆるオゾンホールです。


このオゾンを観測するドブソン分光光度計は非常に繊細な機器です。
どのような測定器でも多かれ少なかれ誤差・個性・特性を持っています。
しかし、この測定器はその誤差が非常に大きいので、扱うのが難しいのです。

周囲の気温や気圧が変わるだけで、もちろん測定値が大きく変わります。
なんと、測定器の状態を確認するために蓋を開けるだけで、観測値が変わってしまいます。

そんな敏感な測定器で、それでも部品の交換が必要な場合の対応手順を勉強してきました。

今回も予想通り、部品を交換しただけで測定器の特性が変わりました。
今回はなぜか特性が不規則に変化してしまったので、それが本当に部品の
交換によるものかを数時間かけて検討することも必要になってしまいました。

南極でも同じことが起きないとも限らないので、しっかりと測定原理や測定器の原理を
勉強したいと思います。

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